馬と関わる ~聞こえない、話せないからこそ出来ること~
人は言葉を用いてコミュニケーションをとります。
だから、例え話せなかったり聞こえなかったりしても手話だったり紙に書いたりして意思疎通を図ります。
一方、馬は耳や顔、脚、尻尾など体の様々な部分をフル活用して意思や感情を表現します。(馬語という。)
そこに言葉は必要ありません。
時々、馬や犬などの動物を見ていると
お互い違う種であるにも関わらず(ましてや犬と馬は食う食われるの関係)、言葉を使わずともコミュニケーションが上手くとれているように見える瞬間があります。
その時、私は
「もしや、動物は本能的な感覚であったり感情はみな共通のものを持っているのではないか?」と思うわけです。
だから言葉を使わずに、異種間でもコミュニケーションがとれるのではと。
そして、世の中には
話せるけど話さない人、話したくても話せない人、話せないから話さない人、聞こえないから話せない人など
様々なパターンの話さない又は話せない人がいますが
そういった人達は、私の個人的な印象ですが
言葉をあまり使わない分、口調や話すスピード、声色などが上手く聞き取れなかったりする分、手話などを使って話す分、表情や態度から相手の感情を読み取ったり、意図的に感情を表に出したり表情を作ったりするのが得意な人が多いのではないかなと思います。
動物と関わる上で、
察する能力と表現する能力はすごく大事です。
馬は馬なりの、人とは違った考えや感覚を持っています。ですから人には理解し難い反応を示す事もありますが、そこをどうにか察してあげる。何かいい事あったのかな?嫌なことあったのかな?と。
そして、馬が悪いことをしたりいい事をしたりすると、怒っているぞ!喜んでいるぞ!という態度や表情を示す。大袈裟かも、くらいでやってみる。
そうやって馬との距離感を縮め、馬にやっていい事悪い事を教える。つまり馴致をするということ。
聞こえない、話せない人はそれが得意なんじゃないかと思うわけです。
馬との会話に言葉は必要ありませんから。